『戦争と一人の女』 冒頭のシーンから印象的です。主人公の男が病院から出てくるとき…病院を背にして歩いてくる男の黒い顔は、顔が見えないその黒い姿は、まるで黒い幽霊が病院から出てくるような印象です。この男には片腕がありません。戦争で腕を失くし…。…
特集 国民的映画『風立ちぬ』大批判! 論考 沖島 勲(映画監督) 我々は、みんな夢遊病者だ 太田昌国(評論家) 司馬の「日本明治国家」論の呪縛 高澤秀次(文芸評論家) 宮崎駿を買いかぶってはいけない 渥美喜子(渥美組代表取締役) 「美しいまま死ぬ」の…
半年後の序文 自分が「映画芸術」のHP上にシネマ☆インパクト第3弾について記事の執筆をお声がけいただいてから半年近く月日が経つ。その記事については様々な方からご意見・ご感想をいただき、良くも悪くも自分の中で大きな記事となった。シネマ☆インパクト…
□*■* ヤマガタ映画批評ワークショップ参加者募集 *■*□ YIDFF 2013では、前回好評だった「ヤマガタ映画批評ワークショップ」を、今年も開催することになりました。 映画祭というライブな環境に身を置きながら、ドキュメンタリー映画を通して、世界につい…
1989年の第一回山形国際ドキュメンタリー映画祭において紹介された『ルート1/USA』が、少なからぬ衝撃を持って受け入れられ、日本の映画ファンにその名を知られるようになったロバート・クレイマー。1999年に急逝した後も世界の映画作家に影響を与えつづけ…
東京は銀座地区唯一の名画座として親しまれてきた銀座シネパトスが今年3月31日をもって閉館した。地下鉄銀座駅と東銀座駅の中間にある三原橋地下街にある同館は1967年、銀座地球座そして翌年名画座としてオープン。主に成人映画を上映してきたが、1988年に…
特集 2013年夏 日本映画の動線を探る 『共喰い』 対談 田中慎弥+荒井晴彦 司会 上野昂志 光石研+青山真治 インタビュー 菅田将暉 木下美咲 篠原友希子 論考 中原昌也(小説家・ミュージシャン) 瀬々敬久(映画監督) 上野昂志(映画評論家) 座談会 青山真…
イワサヒサヤとはナニモノだったのか?岩波映画の共闘集団“青の会”から出発し、前衛映画、テレビ作品を経て、愛するチベットに至った、自遊人・岩佐寿弥の代表作13作品一挙上映! 期日:2013年7月6日(土)─7月26日(金) 場所:渋谷アップリンク 東京都渋谷…
相澤虎之助(脚本家・映画監督) 私の好きな中国料理に雲南米線という食べ物がある。その名の通り雲南省の料理で、別名“過橋米線”とも言われる。米線とは米で出来た麺のことであるが、肝はスープにある。メチャメチャ熱いスープがまず運ばれて来てその後に生…
特集『戦争と一人の女』 対談 江口のり子×中野太(脚本家) 永瀬正敏×井上淳一(映画監督) 村上淳×荒井晴彦(脚本家・本誌編集長) 論考 渡辺考(テレビ・ディレクター) 宮台真司(社会学者) 座談会 成田尚哉(プロデューサー)×森重晃(プロデューサー)…
映画監督であり映画プロデューサーでもある山本政志が脱ワークショップ、非ワークショップを掲げて立ち上げたプロジェクトの第3弾にして、第1シーズン完結編といった趣の中・長編5作品。第2章とも言うべきシネマ☆インパクト2013では長編制作を掲げている。 …
昨年亡くなった日本映画の異能、神波史男の遺文を集成した大冊「ぼうふら脚本家・神波史男の光芒 この悔しさに生きてゆくべし」の刊行を記念して、一夜限りの上映会。上映される機会の少ない『ウルフガイ 燃えろ狼男』を上映します! 3月25日(月) 開場 18:…
日本映画ベストテン&ワーストテン 相田冬二(ノベライザー) 渥美喜子((㈲東京渥美組代表取締役) 伊藤雄(湯布院映画祭実行委員会) 上野昂志(映画評論家) 宇田川幸洋(映画評論家) 内田眞(編集者) 浦崎浩實(激評家) 柄本佑(俳優) 岡田秀則(東…
わたしと世界とユキと。見えるもののすべてへ。 暁方ミセイ(詩人) 去年の十二月に訪れた渋谷の小さな試写会会場は、路地を曲がり、地下への狭い階段を見つけて下りて行き、見覚えのある淡いベージュの『あるいは佐々木ユキ』のポスターが貼ってあることだ…
「映画芸術」誌の2012年日本映画ベストテン&ワーストテンが決定しました!! 配点の詳細および選評については1月30日(水)発売の本誌442号(定価1500円)にて掲載致します。 【ベストテン】 1位 『かぞくのくに』(監督/ヤン・ヨンヒ) 1位 『苦役列車…
ぼうふら脚本家 神波史男の光芒 この悔しさに生きてゆくべし A5/388ページ/2012.12月増刊号/2200円 60年代以後の日本映画界で悪戦苦闘した異能の脚本家神波史男。 その全体像を追う濃密の一冊! 【目次】 《未映画化シナリオ》 「いつかぎらぎらする日」…
B5判、152頁、1500円(税込) 【特集 日本映画、闇を描く】 『その夜の侍』 インタビュー 赤堀雅秋(監督) インタビュー 藤村恵子(プロデューサー) 『悪の教典』 インタビュー 三池崇史(監督) 〈論考〉山本政志(映画監督) シャキッとした暴力映画たち…
日頃より映画芸術DIARYを読んでいただき、ありがとうございます。 前任の武田俊彦さんが2007年4月にこのサイトを開設してから5年が過ぎました。2008年に私が運営を引き継いで現在に至りますが、今月限りで映芸を辞めることになり、今後の記事の更新が難しい…
6月8日に行なわれた映芸シネマテークでは、斎藤久志監督作『スーパーローテーション』を上映しました。本作は日本映画学校俳優科の卒業制作として作られ、物語としても俳優学校に通う生徒たちの日々が描かれています。そうした映画の設定も相まって、ゲスト…
このサイトの記事のなかでも特に反響の大きかった深田晃司さんによる連載「映画と労働を考える」。今年6月、彼がこの連載で提起してきたような問題意識を共有する人たちと共に「独立映画鍋」なる組織を立ち上げた。7月23日には渋谷キノハウスでキックオフイ…
映芸読本第1弾「映画監督 藤田敏八 パキさんとその仲間たち」林久登著 A5判/並製/196ページ/定価1,800円 日活の70年代を代表する映画監督藤田敏八、初めての評伝が完成しました。 裕次郎、アキラ、赤木圭一郎、浅丘ルリ子、吉永小百合、 華やかな時代の日…
映芸読本「映画監督 藤田敏八 パキさんとその仲間たち」(林久登著)刊行記念 敏八命日 8.29 没後15年、一夜限りの追想を! 8月29日(水) 開場20:50 開映21:00 上映作品:『危険な関係』(監督:藤田敏八) ゲスト:根岸吉太郎(『危険な関係』助監督)×…
8月20日より下記のとおり、事務所を移転することになりましたので、お知らせいたします。 新住所 〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2-6-7 広瀬ビル3F 新電話番号 03-6272-9710 新ファックス番号 03-6272-9711 ※メールアドレスの変更はありません。 なお、新…
オーディトリウム渋谷で「濱口竜介レトロスペクティヴ」が開催されている。本サイトでも取りあげた『PASSION』(08)や、韓国の俳優キム・ミンジュンを主演に迎えた『THE DEPTHS』(10)、被災者の証言を記録することに徹した震災ドキュメンタリー『なみのお…
ドキュメンタリー『たまの映画』(10)や青春Hシリーズ『終わってる』(11)などで頭角を現す以前から、恋に狂う人々の人間模様を鋭く描いて傑出した短篇を量産してきた今泉力哉が、現時点の集大成ともいうべき130分の長編『こっぴどい猫』を完成させた。「…
B5判、156頁、1500円(税込) 【特集 映画女優の現在形】 インタビュー 榮倉奈々 インタビュー 渡辺真起子 インタビュー 谷村美月 インタビュー 江口のりこ インタビュー 二階堂ふみ 【特集『かぞくのくに』】 〈対話〉 安藤サクラ(主演)×井浦新(主演) …
来月中旬に事務所を引っ越すことが決まりましたので、バックナンバーの在庫一掃セールを行ないます。8月10日(金)までの期間、358号(1989年秋号)~434号(2011年冬号)までのバックナンバーを全品半額とさせていただきます。お申し込みは、本サイトのバッ…
いまや伝説の名画座と言われる、自由ヶ丘推理劇場、大井武蔵野館、中野武蔵野ホールなどで支配人を務め、一部の映画ファンからタコ支配人の愛称で親しまれた細谷隆広氏。彼がそれらの映画館で組んだプログラムはシネマヴェーラ渋谷や銀座シネパトスなど現在…
来週金曜日に次回の上映を控える映芸シネマテーク。3月に開催された前回のシネマテーク上映後のトークを掲載します。作品は大工原正樹監督『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』、その脚本家井川耕一郎氏の監督作『西みがき』。コンビを組まれることも多い二…
タイ・ビルマ国境付近に留まった未帰還兵を追うドキュメンタリー『花と兵隊』(09)では、取材対象者との交渉過程をカメラに収め、その粘り強く泥臭い姿勢を印象づけた松林要樹。現在オーディトリウム渋谷で公開中の『相馬看花 -第一部 奪われた土地の記憶…