2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧
前作『机のなかみ』が好評だった、吉田恵輔監督の新作『純喫茶 磯辺』は、さえない親父・磯辺裕次郎と年頃の娘・咲子、そこに現れる何を考えているのかわからない美女・素子を軸に、正体不明の人間たちが集う喫茶店で繰り広げられる、可笑しくて優しいひと夏…
『女優霊』(96)や『リング』(98)の脚本家として、『呪怨』シリーズ(00~03)の監修としてJホラーブームを牽引する一方で、『蛇の道』(98)や『発狂する唇』(00)などの野心作を手がけ、2004年にはホラー番長シリーズの一篇『ソドムの市』を監督した高…
老いた映画人とは妙に魅力的な被写体で、かつて独特のプロフェッショナルとして時代の先端にいた彼らは、いまや老ライオンのような風格で遠くを見やっている――みたいな印象がある。そのようなひとびとと出会った場合、僕としては複雑な心境になる。世が世な…
カインの印 旧約聖書の『創世記』によると、神はこの世で最初の殺人者となったカインを追放する前に、彼の身体に印を刻みつけたという。このカインの印(The Mark of Cain)をつけて歩く者は、永久に犯罪者と社会的な落伍者のレッテルを背負って生きなくては…
大阪芸大の卒業制作として監督した『剥き出しにっぽん』(05)がぴあフィルムフェスティバルのPFFアワード2007でグランプリを受賞、さらに今年の香港映画祭で開催されたアジア・フィルム・アワードでは「エドワード・ヤン記念」アジア新人監督大賞を手にした…