映画芸術

脚本家荒井晴彦が編集発行人を務める季刊の映画雑誌。1月、4月、7月、10月に発行。2016年に創刊70周年を迎えました!書店、映画館、Amazon、Fujisanほかにて発売中。

2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

投稿映画評『ワカラナイ』 <br>まなざしの不在 <br>笠松勇介(学生)

田舎の粗末なアパートで一人暮らしをしている少年。彼は入院中の母を抱えながらも、コンビニのアルバイトで生計を立てている。母親の闘病生活のためか、家計は圧迫され日々の食事もままならない。バイト先のレジをごまかし空腹を凌いでいる。同僚も頼りには…

『サウダーヂ』<br>富田克也(監督・脚本)・相澤虎之助(脚本)新作撮入インタビュー

小誌「映画芸術」の2007年ベストテン&ワーストテンにおいて、自主映画にもかかわらず堂々9位に入った『国道20号線』。この作品は、変貌著しい国道沿いの風景のなかで、元不良のカップルが社会のシステムに絡め取られ、しだいに抜き差しならない状況へと追い…

試写室だより『あがた森魚ややデラックス』 <br>誰もこの人の絵を描けないだろう <br>若木康輔(ライター)

わたしたちのまわりに落ちる弾丸の数はだんだんふえてきたが、ノーチラス号にはまだ一発もあたっていない。 ネモ艦長がすがたをあらわした。青ざめた顔をしている。 「わたしがなにものか知っているのか、のろわれた国の船よ!」艦長はさけんだ。 (「海底二…

緊急告知!<br>「映画芸術」が京浜急行の売店で販売中です!

8月末から9月末にかけて、試験的に京浜急行電鉄内の下記8売店で映画芸術427号および428号を販売しています。この期間内の売上が芳しくない場合、今後の取引がなくなってしまう可能性が高いので、まだ購入されていない方はもちろん、既にお持ちの方もお買い…

試写室だより『犬と猫と人間と』 <br>駄目だから、希望がある <br>加瀬修一(ライター)

前作の『あしがらさん』(注1)を観た時に、飯田基晴監督って本当にいい人だと思った。もういい加減怒ってもいいだろう!って状況になっても、決してあしがらさんとの関係を切らない。時に何がそこまでと思わされるほど。上からでも下からでもない、あくまで相…