映画芸術

脚本家荒井晴彦が編集発行人を務める季刊の映画雑誌。1月、4月、7月、10月に発行。2016年に創刊70周年を迎えました!書店、映画館、Amazon、Fujisanほかにて発売中。

2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

試写室だより『ふゆの獣』 <br>荒涼とした風景の中で、牙のない獣たちは <br>近藤典行(映画作家)

この映画は、全編を通し、四人の登場人物によってのみ描かれている。きっかり四人だ。それ以外の人間が画面に映ることはほぼない。ユカコ(加藤めぐみ)、その同僚で彼氏でもあるシゲヒサ(佐藤博行)、同じく同僚でシゲヒサの浮気相手でもあるサエコ(前川…

『緑子/MIDORI-KO』 <br>黒坂圭太(アニメーション作家)インタビュー 前編 <br>アニメーションとの出会いと初期の作品

手描きアニメーション、実写、写真アニメーション、クレイアニメなど、様々な技術を駆使する孤高のアニメーション作家・黒坂圭太。彼の実験的なアニメーションはアヌシー、オタワなどの国際アニメーション映画祭や各種コンペティションで受賞、様々な映像祭…

試写室だより『無常素描』 <br>記録(ドキュメント)ではなく、情報(ニュース)でもない、アクチュアルな映画 <br>神田映良(映画批評)

現実を切りとる、映像という媒体。「現実」を写している面と、写す者、或いは編集者の意思によって切断しているという、この両面が、特に報道やドキュメンタリーでは常に問われる。かつてアンドレ・バザンは、『失われた大陸』の、白人の到来を待つ野蛮な首…

『まなざしの旅 土本典昭と大津幸四郎』 <br>特集上映「反権力のポジション キャメラマン大津幸四郎」 <br>大津幸四郎(キャメラマン)×鎌仲ひとみ(ドキュメンタリー監督)トーク

代島治彦監督による『まなざしの旅 土本典昭と大津幸四郎』(10)は、水俣を撮り続けたことで知られる、日本ドキュメンタリー映画の巨人・土本典昭監督へのインタビューと、土本監督や小川紳介監督などの撮影を長年つとめてきた大津幸四郎キャメラマンへのイ…