映画芸術

脚本家荒井晴彦が編集発行人を務める季刊の映画雑誌。1月、4月、7月、10月に発行。2016年に創刊70周年を迎えました!書店、映画館、Amazon、Fujisanほかにて発売中。

2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「デジタル化による日本における映画文化のミライについて」PART1 <br>デジタル化による映画の多様性の危機について~日本における現状報告 <br>田井肇(大分・シネマ5代表)

近年、急速に進む映画のデジタル化だが、ここへ来て一気にその問題が表面化している。というのも、作品の供給がフィルムからデジタル素材へと急変する中で、デジタルの上映設備を持たないミニシアターが存続の危機に立たされているからだ。さらに、デジタル…

第18回大阪ヨーロッパ映画祭レポート 後編 <br>神田映良(映画批評)

ヨーロッパ映画というと、眉間に皺を寄せて鑑賞する「アート」というイメージが一般的なのかもしれないが、今回上映された作品は、そうしたイメージを破る、愉しむものとしての映画が多かったように思う。ポスターやパンフレットの表紙に使われているのも、…

第18回大阪ヨーロッパ映画祭レポート 前編 <br>神田映良(映画批評)

第18回目も無事に終了した大阪ヨーロッパ映画祭。メインの会場となったホテルエルセラーン大阪は、白を基調とした、清楚な印象。上映が行なわれたエルセラーンホールは、木を多用した温かみのあるホールで、白とガラスによる潔癖な雰囲気のあるホテルの中に…

『ひかりのおと』 <br>山崎樹一郎(監督) 桑原広考(プロデューサー)インタビュー

近年、インディペンデント映画勢の活躍が目立つ東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門。『ひかりのおと』はそこで注目を集めた作品の一本だ。監督自身がトマト農園を営み、生活する岡山県真庭市を舞台に撮影し、製作過程でその地の人々が多く携わり、ま…

『トーキョードリフター』クロスレビュー <br>金子遊(映像作家・脚本家)、萩野亮(映画批評)

風景映画とドキュメンタリーの臨界点 金子遊(映像作家・脚本家) トップランナーとして どのような芸術ジャンルにおいても、トップランナーと呼ばれる作家は、宿命のようなものを背負うらしい。松江哲明が著書「セルフ・ドキュメンタリー」で振り返った10年…

『アントキノイノチ』 <br>瀬々敬久(監督)公開インタビュー

新作『アントキノイノチ』の公開に合わせ、11月9日にタワーレコード新宿店で瀬々敬久監督の公開インタビューを行いました。既に11月19日から全国公開されている本作は、心に傷を負った若い男女が遺品整理の職場で出会い、他者との絆、死者との繋がりに気付い…