2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧
近年、急速に進む映画のデジタル化だが、ここへ来て一気にその問題が表面化している。というのも、作品の供給がフィルムからデジタル素材へと急変する中で、デジタルの上映設備を持たないミニシアターが存続の危機に立たされているからだ。さらに、デジタル…
ヨーロッパ映画というと、眉間に皺を寄せて鑑賞する「アート」というイメージが一般的なのかもしれないが、今回上映された作品は、そうしたイメージを破る、愉しむものとしての映画が多かったように思う。ポスターやパンフレットの表紙に使われているのも、…
第18回目も無事に終了した大阪ヨーロッパ映画祭。メインの会場となったホテルエルセラーン大阪は、白を基調とした、清楚な印象。上映が行なわれたエルセラーンホールは、木を多用した温かみのあるホールで、白とガラスによる潔癖な雰囲気のあるホテルの中に…
近年、インディペンデント映画勢の活躍が目立つ東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門。『ひかりのおと』はそこで注目を集めた作品の一本だ。監督自身がトマト農園を営み、生活する岡山県真庭市を舞台に撮影し、製作過程でその地の人々が多く携わり、ま…
風景映画とドキュメンタリーの臨界点 金子遊(映像作家・脚本家) トップランナーとして どのような芸術ジャンルにおいても、トップランナーと呼ばれる作家は、宿命のようなものを背負うらしい。松江哲明が著書「セルフ・ドキュメンタリー」で振り返った10年…
新作『アントキノイノチ』の公開に合わせ、11月9日にタワーレコード新宿店で瀬々敬久監督の公開インタビューを行いました。既に11月19日から全国公開されている本作は、心に傷を負った若い男女が遺品整理の職場で出会い、他者との絆、死者との繋がりに気付い…