映画芸術

脚本家荒井晴彦が編集発行人を務める季刊の映画雑誌。1月、4月、7月、10月に発行。2016年に創刊70周年を迎えました!書店、映画館、Amazon、Fujisanほかにて発売中。

2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

インド映画特集上映「ボリウッド・ベスト」<br>松岡環(字幕翻訳)インタビュー

インド映画は1970年代に世界一の製作本数となり、21世紀に入ってからは年間製作本数が1000本を超えることも珍しくない。その多さはインド内で映画製作に用いられている言語数の多さに起因しているのだが、もっとも多く製作されるヒンディー語映画の本拠地ム…

試写室だより『フライング☆ラビッツ』 <br>羽田に行ってみたら雲の向こうに晴れ間が見えたよ <br>若木康輔(ライター)

実在の女子バスケット・チームであるJALラビッツに、ひょんなことからバスケット未経験の新人CAが入部したら……というコメディタッチの青春スポーツ映画である。 ウサギさん絡みのタイトルでもあるし、新作情報をタッタカ処理したい人たちのためにタッタ…

試写室だより『LOOK』 <br>監視映画というジャンル <br>金子遊(映画批評家)

監視映画の歴史 「監視映画」の歴史は、映画史とほぼ同時に幕を開けたといっていい。世界初の実写映画といわれるリュミエール兄弟の『工場の出口』(1895)は、リヨン近郊の建物から一日の労働を終えた人々が出てくる姿をとらえた、50秒ほどの映画であった。こ…

試写室だより『デイ・オブ・ザ・デッド』 <br>美少女兵士の地獄めぐり「僕もミーナ・スヴァーリ軍に入りたい!」 <br>CHIN-GO!(映画感想家)

某月某日、僕は『ドーン・オブ・ザ・デッド』(監督ザック・スナイダー 脚本ジェームズ・ガン/04年)を上映している映画館の前にいた。珍しくひとりではなかった。なぜなら、デート数回目の女性とともに来ていたから。でも、なんでゾンビ!? いや、映画勘…

試写室だより『トウキョウソナタ』 <br>今そこにある希望 <br>近藤典行(映画作家)

部屋の中を横滑りしていく一枚の新聞紙を目で追うことから、『トウキョウソナタ』は始まる。後に、窓が開きっ放しになっていたため、嵐が巻き起こす強い雨と風が吹き込んできたことが判るのだが、しかしどう見てもこの新聞紙の動きは、風の力によって吹き飛…

映芸マンスリーVOL14 <br>「『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』メイキング」 <br>若松孝二(本編監督)トーク

6月9日に行われた「映芸マンスリーVOL14」のトークショーには、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』の若松孝二監督が登場。革命を目指した若者たちが「あさま山荘事件」を起こしてしまうまでの道のりをドキュメントタッチで描き出した本作は、東京国際映…

試写室だより『ひゃくはち』 <br>青春は美しくない。でも…… <br>加瀬修一(ライター)

プロ野球は負けても次の試合があり、次のシーズンがある。だが、高校野球に次はない。その一回性ゆえにマスコミもドラマを盛り上げるし、世間一般でも夏の風物詩として広く認知されている。高校球児の溌剌とした姿に胸躍らされ、自身のもう戻らない時を懐か…