2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧
フランスの文豪バルザックの短編小説『ざくろ屋敷』が、70枚近い静止画に、俳優の台詞と音楽、そしてカメラワークにより、1篇の映画として見事に完成した。弱冠26歳、深田晃司監督の秘密に迫る。
知的障害者のサッカーワールドカップ 2006年大会に出場した選手たちと、大会の様子を追ったドキュメンタリー『プライド in ブルー』。デビュー作『棒』(02)でAV男優の青年と彼を取り巻く人々を描いた中村和彦監督が、劇場第2作となる本作で目指したものは…
幕末、徳川慶喜将軍の時代。妻夫木聡演じる主人公はお役も何も戴けていナイ暇な武士。お人よしの器用貧乏なタイプで、時代の流れに乗り切れていない無職、即ちニート。まぁ、よく考えるとニートだって悪者じゃないし、世間の波に呑まれた挙句の不器用人間な…
『H story』以来4年ぶりに製作された諏訪敦彦の長編映画『不完全なふたり』が6月30日より新宿武蔵野館ほかで公開される。パリを舞台にフランス人キャストと共に作られた本作は、ロカルノ国際映画祭で準グランプリにあたる審査員特別賞と国際芸術映画評論連盟…
本格サッカー映画が日本についに現れた 『プライドinブルー』は、日本映画史にほぼ初めて登場した、本格的なサッカー映画だ。 以前にSMAP主演の『シュート!』があったけど、あれはあくまで青春映画の題材としてサッカーを選んだ秀作と解釈したい。こ…
アメリカ映画らしい華やスリルがあって、なおかつ爽やかな後口の新作はないだろうか?すぐに銃を撃ったり、人が殺されたりしないもの…と思っている人にお勧めなのが、カーティス・ハンソンの『イン・ハー・シューズ』以来の監督作『ラッキー・ユー』だ。 ラ…
映画は1974年の東京・枝川の風景を映し出す。雑多で猥雑だが活気のある枝川の町並みのなか、主人公アンソン(井坂俊哉)の息子チャンス(今井悠貴)の笑顔をナメ(前景にし)て、後方でチマチョゴリ姿の女子学生たちが歩いている。わたしは胸が痛くなった。…
批評家であり近年は映画監督としての活躍も話題の藤原敏史監督に、土本典昭作品への思い、本作での試み、そしてこれからの活動について聞いた。