映画芸術

脚本家荒井晴彦が編集発行人を務める季刊の映画雑誌。1月、4月、7月、10月に発行。2016年に創刊70周年を迎えました!書店、映画館、Amazon、Fujisanほかにて発売中。

荒井晴彦の映画×歴史講義 第一回<br>『日曜日には鼠を殺せ』(64)

 今は亡き今村昌平監督が設立した日本映画学校では、脚本コースの卒業生を対象にした勉強会が毎月開かれています。講師を務めるのは「映画芸術」の発行人である荒井晴彦と、『無能の人』(91)や『地雷を踏んだらサヨウナラ』(99)などで知られる脚本家・丸内敏治さんの二人。戦争や革命など歴史上の事件を背景にした映画を俎上にのせ、そのドラマツルギーから歴史的教養に至るまで、幅の広い講義が展開していきます。そしてこのたび映画芸術DIARYでは、本講義の一部を採録し、連載企画として掲載していくことになりました。

 一回目に取り上げる映画はフレッド・ジンネマンの『日曜日には鼠を殺せ』。この作品は『真昼の決闘』(52)や『地上より永遠に』(53)などで知られるジンネマン監督が、スペイン内戦でヒトラーのドイツとムッソリーニのイタリアに支援されたフランコの反乱軍と戦った共和国政府の英雄の20年後を描いた映画です。自身も60年代末の学園闘争の渦中に身を置いた脚本家二人の口から果たしてどんな話が飛び出すのか。それは講義を聴いてのお楽しみです。

(司会・構成:川崎龍太

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『日曜日には鼠を殺せ』アメリカ/1964年/115分)

監督:フレッド・ジンネマン

原作:エメリック・プレスバーガー

脚本:J・P・ミラー 撮影:ジャン・バダル 音楽:モーリス・ジャール

出演: グレゴリー・ペックアンソニー・クインオマー・シャリフ 、パオロ・ストッパ

〈解説〉 

 優れた脚本家で監督でもあったE・プレスバーガーの同名小説を、『真昼の決闘』で有名なジンネマンが映画化。スペイン内戦から20年、かつての英雄マヌエル(グレゴリー・ペック)は国境を越えてフランスへ逃れていた。一方、彼の故郷の警察署長(アンソニー・クイン)は、今でもマヌエル逮捕に執念を燃やしていた。ある時、マヌエルのもとに子供がやって来て、署長の拷問で殺された父親の敵を討って欲しいと頼む。内戦後も政府機関や銀行を襲ったマヌエルを、故郷では英雄視していたからだ。しかし、日ごとに老いていくだけの無為な日々を過ごしていたマヌエルは、動こうとはしなかった。その頃、故郷の母が危篤となり、署長はこれをマヌエルをおびき出す好機と考える。母はフランスに帰る神父(オマー・シャリフ)に、決して帰って来てはならないと遺言を託して息を引きとった。署長は母の死を隠し、かつてはマヌエルの仲間で、今は署長側についた密告者・カルロスをマヌエルの元へ送り、逮捕のために罠を張るが……。

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――スペイン内戦(※脚注1)のことを詳しく調べる前に一度観たんですが、史実を理解していなくてもおもしろかったです。テーマは「裏切られても裏切るな」ですか?

荒井 どうなんだろう。なんで64年に作られたのか。内戦終結25周年だからかな。

――荒井さんはスペイン内戦を「裏切られた革命」と書いていますが(※「発言者」2000年8月号)、その背景を意識して、このストーリーが組まれたわけですよね。

荒井 「裏切られた革命」ということに関しては、ケン・ローチの『大地と自由』で描かれている。こっちはもうちょっと、ライバルの対決ものというエンターテインメントにしてるんだけど、なんで罠と知っているのにグレゴリー・ペックがスペインへ戻るのか。それと、なんでアンソニー・クインを一発目で撃たないのか、二つの問題がある。

――密告者のほうは射殺しましたよね。

荒井 世の為人の為を考えると、アンソニー・クインを倒すのがテーマじゃないの?

――罠と知りながらピレネー山脈を越えてスペインに戻ったのは、冒頭の武装解除のシーンで「戦争は終わったんだ。なぜあきらめきれない」というグレゴリー・ペックのセリフがありますけど、引きずっていた戦争にケリをつけにいったんだと思いました。

丸内 神父とのことが大きいですよね。復讐にいったというか、神父とのやり取りでグレゴリー・ペックは違う世界に行こうとしたんじゃないかな。

荒井 そこは難しいところだね。

丸内 あそこが一番おもしろかった。あまり突っ込んでないですけど。

荒井 グレゴリー・ペックと神父は敵同士なんだよね。資本家、地主、教会っていうのはフランコ派なわけだ。で、グレゴリー・ペックコミュニストだから反教会で神父をだいぶ殺したと思う。敵だった神父がわざわざ助けにきたことで、変わったのかどうか。そう解釈すると、非常にハリウッド的なヒューマニズムというかさ。その括りだと見やすくはなる。

丸内 ヒューマニズムになりそうになるけど、そこを避けていて曖昧な感じなんですよ。

荒井 確かに小川徹もそう書いている。キリスト教で解釈すればハリウッドのヒューマニズムが成立すると。旧約聖書的に解釈すると、あの密告者がユダで、グレゴリー・ペックがキリストの代わりに罪を被った盗賊になるらしい。でもそのヒューマニズムが好きじゃないと小川徹は言っている。革命家は裏切られても裏切るなというハナシだと評価する斎藤龍鳳とは違って否定的なわけだよ。所詮、今は堕落したどうしようもない元革命家じゃないかと。その証拠にアンソニー・クインを撃たなかったと。当時、俺たちはヤクザ映画の文脈で観ていた。『ワイルドバンチ』(69)にしても『日曜日には鼠を殺せ』にしても、やられると分かっていて、渡世の義理で殴り込みに行くパターンじゃない。かつて英雄だった男が死ぬことで名を残していくという。

――冒頭に黙示録(6章8節)の聖句が出てきますよね。

荒井 「蒼ざめた馬を見よ。これに乗るものの名は死。黄泉これに従う。」だろ。『ペイルライダー』(85)にもあった。当時観たときは五木寛之の小説と同じタイトルだとは気がつかなかったけど、後年観たときに、え、そうなのかとゾクッとした。

――原題は『日曜日には鼠を殺せ』じゃないんですよね。

荒井 「BEHOLD THE PALE HORSE」で「蒼ざめた馬を見よ」なんだよ。だから、この映画はスペイン内戦を背景にして、ドラマツルギーはヤクザ映画やアクション映画みたいなもんでさ。でも、当時我々はスターリンの裏切り、共産党アナキストトロツキスト狩りが革命の敗因だということを学ばなければいけないんだと思うわけだ。この人(丸内)たちは九州のほうで反スタ系じゃないから、あんまりスペイン内戦は研究してなかったと思うけど(笑)。

丸内 研究はしてなかったけど、ガキの頃に『誰が為に鐘は鳴る』(43)は観ました。あれは泣けますよ。

荒井 特別復元版観るといいよ。それ観たとき驚いた。

丸内 人民戦線側の虐殺も描いているんですか。それは観てみたい。

荒井 それがなぜ公開当初、切られたのか。

丸内 僕も若い時に『日曜日に鼠を殺せ』を観ていたら、荒井さんと同じように感じたかもしれないけど、今観ると、あの牧師の論理が勝っていますよね、小川徹さんが書いていたことは知らなかったけど。

荒井 ジンネマンはハリウッドの赤狩りの時、しぶとく転向せずに残ったらしいけど、『真昼の決闘』は、大衆はアテにならないという赤狩りの経験なんだと思う。要するにかつて保安官だった自分が捕まえた連中が復讐にくる時に、町の人は誰も味方してくれないから一人で立ち向かうことになるって話。だから、神父の問題と絡めて『日曜日には鼠を殺せ』に赤狩りの経験がどう入っているのか。かつては仲間だった密告者を殺すのはその経験があるからなのかも分からない。「エリア・カザンは許せない」と。

――だから密告者のほうは殺したんですかね。

荒井 赤狩りをした権力ではなく、同志を裏切った連中のほうが憎いと。

丸内 屋上から狙っているとき、アンソニー・クインを撃とうかどうか悩んでいましたよね?

荒井 どっちにしようかという迷いがあるんだと思う。一発撃ったら、もう二発目は警戒される。優先順位をどうしようと。

丸内 アンソニー・クインは足を撃たれたんですか?

荒井 一発目が密告者で、やっぱりアンソニー・クインも撃たなきゃってことで狙ったけど外れて足に当たった。

丸内 「なんで罠だと知っていて来たのか」とアンソニー・クインも最後に言っていますけど、そこを分かりやすく作ってない。

荒井 ヨーロッパ的な価値観だと分かりづらいけど、日本的な価値観だと非常に分かりやすい。効率では動かないという。特攻隊にしてもそうじゃない。美学っていうかさ。

丸内 美学でしょうね。

荒井 それとも「夢をもう一度」と思ったのか。

――復讐に行く前に、子供のために買ってあげたサッカーボールをグレゴリー・ペックが外に投げるシーンや、居酒屋の女の胸や脚を見るシーンがありますよね。そこでグレゴリー・ペックの決意のようなものを感じました。

荒井 女を見るシーンはいいよね。ヤッてから復讐にいけよと思うけど(笑)。そこは斎藤龍鳳が延々「革命家かくあるべし」と書いている(※「なにが粋かよ 斎藤龍鳳の世界」創樹社、収録「ゲリラに出ていく朝」)。『ワイルドバンチ』だと女を買ってから行くんだよ。だけど『日曜日には鼠を殺せ』は買わないし、一緒に銃を掘り返した仲間が付いてくるのを断るわけじゃん。特攻隊みたいなもので、勝算がないから一人でいいということだよね。

丸内 自分の人生の清算にいくと。

荒井 それと、子供に対する何か。継承していくっていうか。

丸内 ボールを投げたことが?

荒井 ヒーローとしてさ。それはアメリカ映画でもよくあるじゃない。

――構成はすごく分かりやすかったです。まず、「父親の仇を討ってくれ」と子供が来て、それと同時に密告者から母親が危ないと聞かされる。それでもグレゴリー・ペックは行けないんだけども、その後に、母親は死んでいるという神父からの情報と、まだ生きているという密告者の情報、そして実はカルロスは裏切り者なんだという三つの要素が絡み合って、最終的には行くと決断して。

丸内 すごくシンプル。

荒井 よく出来てると思うよ。冒頭で、武装解除してフランスに行く時に、一人引き返してみんなに止められた男が、20年経つと酒だけ飲んでいるただの老いぼれ。そんな男がもう一度決意するっていう。

丸内 子供からも馬鹿にされていましたね。

荒井 そりゃあ20年も経てばね、フランコ独裁体制も揺るぎないし。『パンズ・ラビリンス』(06)は、国境を超えてフランスに行かずに、山に逃げてまだ抵抗している連中の話なんだよ。

――それは内戦が終結して何年後の設定ですか?

荒井 39年にフランコが勝って、それから数年後の話だから40年代。スペインの監督の映画には必ず内戦が出てくるね。ビクトル・エリセの『エル・スール』(82)にしてもチラッと内戦が出てくるし。

――『日曜日には鼠を殺せ』の作品自体の評価はどうだったんですか。

荒井 俺は斎藤龍鳳の評論を読んで観たいと思って、数年後に観たのかな。

丸内 僕は当時知らなかった。埋もれていましたよね、多分。分かる人は分かるみたいな。

――ジンネマン自身の評価は?

荒井 俺は好きだけどね。『地上より永遠に』(53)の続篇というか、あれは真珠湾だけど、その後、日本軍と太平洋戦線で戦いましたというのがテレンス・マリックの『シン・レッド・ライン』(98)。同じ原作者なんだ。

丸内 ジンネマンって名前からするとドイツっぽい。ユダヤですかね?

荒井 ユダヤっぽいよね。

――『誰が為に鐘は鳴る』や『パンズ・ラビリンス』が話に出ましたけど、『戦争は終った』(65)やほかにもスペイン内戦を扱った映画がありますよね。

荒井 『戦争は終った』ももう一度スペインに行く話。パリで女とヤッてばかりだけど。同じ内戦でも、『日曜日には鼠を殺せ』は娯楽アクション風にしていて、ケン・ローチの『大地と自由』(95)は内戦を真っ当にというか正面からやっている。POUM(マルクス主義統一労働者党)というトロツキストグループの話で。

――『大地と自由』はジョージ・オーウェルの「カタロニア讃歌」を読んでから観ると、映画の理解度がだいぶ変わりました。『大地と自由』のナレーションに「カタロニア讃歌」と全く同じ一節があったりして。

荒井 オーウェルはスペイン内戦の経験があって反共産主義者に転向するわけだよ。それで「Animal Farm」や「1984」で共産党支配は駄目だと書くわけ。スペイン内戦で共産党ファシストじゃなく、トロツキストアナキストを殺すことが主眼だったからさ。アンジェイ・ワイダが『カティン』(07)って映画を撮ったけど、カティンの森ポーランド人将校を3千人ぐらい虐殺して埋めたことを、スターリンはずっとナチスのせいにしていた。冷戦が終わってやっとソ連だということになったけど。それは『地下水道』(56)のワルシャワ蜂起でも、ソ連は見殺しにするわけだよね。連中を残しておくと自分たちが支配するときに厄介だから。

――映画の話と離れますが、『大地と自由』に「あと一歩で世界が変えられた」というナレーションがありますよね。それは実際、スペイン内戦は歴史のターニングポイントだったんですか?

荒井 そうそう、スペイン内戦に全部ある。革命の夢と希望と、裏切られた革命の絶望が。イギリスやフランスもスペイン人民戦線政府を見殺しにする。ソ連も一国社会主義で、世界革命じゃなくて、自分の国の社会主義を守るためだけなんだよ。人民戦線派に武器を提供していたけど、スペインにある金塊を全部持っていくわけだから。スペインで負けた連中がモスクワに戻ってくると共産党の幹部でも粛清しているし。

――黒木和雄さんが『大地と自由』の評論(※映画芸術381号、「絶望と希望のアポリアケン・ローチ小論」)で、日本も満州建国の交換条件でフランコ政権を承認していたと書いていますね。

荒井 それは当然そうする。三国同盟を結ぶわけだから。でも日本人で国際旅団(※脚注2)に入って死んでいる奴がいる。ジャック白井っていう、函館出身の。

――日系人ですか?

荒井 日本人。出稼ぎか移民でアメリカに行って共産党員になったのかな。国際旅団には共産党が募集していたから入ったと思う。ブルネテの戦いで死んだらしい。フランコ側には、日本からは軍人が勉強のためにスペインへ行っているよね。俺をデビューさせてくれたプロデューサーの三浦朗さんの父親は外交官でスペイン内戦の頃、日本大使館にいたんだよ。逢坂剛の小説を読むといい。逢坂剛は三浦さんの父親に取材してるから。スペインシリーズもいっぱい出てるし。ベルリンオリンピックに対抗して労働者のオリンピックをやろう、と人民戦線派が考えてバルセロナオリンピックを計画したんだけど、選手が集まったところでフランコの反乱が始まって、そのまま義勇軍として入っちゃった連中がいたという話を書いている。銃を持ったアスリートがいたと。

丸内 ジャック白井についても調べたんですか?

荒井 石垣綾子の「オリーブの墓標」を読んで初めて知った。

丸内 ちょっとおもしろそうですね。映画になりにくいですか?

荒井 うーん、やろうと思えばね。函館から始めてさ。だけど今どき、そんな企画に乗るプロデューサーがいるだろうか。

――ほかに日本人はいたんですか?

荒井 それを逢坂剛は、ほかにも日本人がいたとフィクションで描いている。

――内戦が本格的に始まる前の映画ですけど、『蝶の舌』(99)もありましたね。

荒井 どんな話だっけ?

――スペイン内戦の直前に少年が共和派の先生と仲良くなって。

荒井 あ、それで先生がフランコ派に捕まっちゃう。

丸内 先生を批判しなきゃいけないんですよ。

――「裏切り者」とか叫びながら、最後に「蝶の舌」と叫ぶんです。その言葉が先生と少年だけにわかる暗号みたいになっていて。

丸内 ちょっとセンチメンタルな感じがありましたよね。

荒井 あれだとスペインというより、もっと一般でも通じる。文革朝鮮戦争でもあっただろうと。

丸内 スペインの映画って割と情に流す映画が多いですよね。

荒井 子供を使うよね。双方ともに子孫がいるから根が深いんじゃないの。

――ケン・ローチの『大地と自由』にも孫娘が出てきますよね。

荒井 あれは回想だからね。ほかにもスペイン内戦の映画あったよな。『明日なき夜』(61)とか。

――スペイン内戦を扱った映画は『誰か為に鐘は鳴る』が最初ですか?

荒井 どうだろう。アンドレ・マルローが撮ったのか、なんかドキュメンタリーみたいなの観たことあるけど。『誰が為に鐘は鳴る』は、ま、ハリウッド大作だよ。ラブストーリーだし。さっき言った人民戦線派側の虐殺があるとだいぶ色合いも違ってくるけど。でも、ドイツ、イタリア、日本というファシズム悪の枢軸と戦争している最中の映画だからね。反ファシズムの空気入れ映画だったんじゃないかな。

――性的虐待のエピソードは。

荒井 子供の頃に観ると、どうして坊主にされたのかよく分からない(笑)。

丸内 俺も分からなかった(笑)。

荒井 それを解明しようと思って小説を読んだわけ。初めて親にねだった本だった。

丸内 でも、あの短い髪がカッコイイ。

荒井 最後に機関銃を撃って終わるのは、子供でもヒロイズムを感じたな。

――女性も国際旅団の義勇軍にいたんですか?

荒井 共産党の幹部にドロレス・イバルリっていう女がいてさ、奴らを通すなってアジって、国際旅団が解散する時には「あなたたちは希望でした」と涙ながらに大演説したらしい。だからその、スペイン内戦の義勇軍は20世紀の唯一の希望だったというか。ソ連にしても期待は出来ないし、アメリカ、フランス、イギリスも見て見ないフリをしたわけだよね。それを義勇軍というかたちで、アメリカはヘミングウェイ、フランスはマルロー、イギリスもジョージ・オーウェル含め色んな連中が行った。イギリスはケンブリッチやオックスフォードの大学のエリート連中が多いんだよ。昔、小さい新聞記事で読んだけど、1986年に国際旅団結成50周年記念大会で元義勇兵と関係者がマドリードに集まって、「インターナショナル」をそれぞれの自国語で合唱したらしい。それ読んだ時は、ゾクゾクっとした。違う言葉で、同じメロディーで、それこそインターナショナルだなと。

(2008年7月19日 日本映画学校にて)

【脚注】

脚注1 スペイン内戦……1936年7月から1939年3月まで第二共和政期のスペインで勃発した内戦。マヌエル・アサーニャ率いる左派の人民戦線政府と、フランシスコ・フランコ将軍を中心とした右派の反乱軍とが争った。反ファシズム陣営である人民戦線をソビエト連邦が支援し、フランコファシズム陣営のナチス・ドイツ・イタリアが支持するなど、第二次世界大戦の前哨戦としての様相を呈した。

脚注2 国際旅団……多くの国際的社会主義組織を始めとする反ファシズム運動が、この戦争に当たって結束して反フランコ義勇兵を募集し、国際旅団が組織された。

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「遠ざかる祖国」       逢坂剛

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