映画芸術

脚本家荒井晴彦が編集発行人を務める季刊の映画雑誌。1月、4月、7月、10月に発行。2016年に創刊70周年を迎えました!書店、映画館、Amazon、Fujisanほかにて発売中。

映芸シネマテークvol.12のお知らせ

3月9日(金) 姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う 西みがき 玄関の女 ホトホト サブ2.jpg  大工原正樹監督の映画ではとても普通じゃない愛や憎しみばかり描かれているのに、見ていて不思議と納得してしまう。昨年公開され話題を呼んだ『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』も、あてもなく町をさまようだけのロードムービーかと思ったら、過去の因縁にとらわれた男女の激しい感情が燃え立つまでを見るドラマでもあったような、今まで一緒に見たことない二つのジャンルの混在する映画だった。  この奇妙さは大工原正樹監督の作家性なのか? それとも脚本の井川耕一郎によるものなのか? 井川耕一郎監督作品『西みがき』は『姉ちゃん~』と同じく、姉弟の愛と幽霊をめぐる話だ。しかし二本を比べて見ると『姉ちゃん~』の俳優の堂々とした佇まいと、『西みがき』のどのように動くのか予測のつかない不安定な仕草は、全くの別物だ。  大工原正樹・井川耕一郎、両監督作品を続けて見ることで、それぞれの演出・脚本のあり様の違いと、そこから醸しだされる怪しげな魅力に迫りたい。 「姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う」予告編 『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』 監督:大工原正樹 脚本:井川耕一郎 撮影・照明:志賀葉一 録音・整音アドバイザー:臼井 勝 編集:渡辺あい 大工原正樹 音楽:中川晋介 出演:長宗我部陽子 岡部 尚 森田亜紀 高橋 洋 光田力哉 2010/49分 公式サイト:http://hotohotosama.web.fc2.com/index.html 西みがき21.jpg 『西みがき』 監督:井川耕一郎 撮影:福沢正典  録音:臼井 勝  編集:北岡稔美 出演:本間幸子 粕谷美枝 西口浩一郎 中村 聡 前田怜子 2006/53分 「プロジェクトINAZUMA」ブログでの関連記事はこちらから 『玄関の女』 監督:井川耕一郎 撮影:松本岳大 録音:光地拓郎 編集:北岡稔美 出演:本間幸子 2011/5分 【プロフィール】 大工原正樹 1962年生まれ。大学在学中に中村幻児の雄プロに所属。廣木隆一石川均鎮西尚一らの助監督を務める。その後、製作会社フィルムキッズに所属し、89年に映画『六本木隷嬢クラブ』でデビュー。『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』(96)『風俗の穴場』(97)などのVシネマを監督。TVドラマは『七瀬ふたたび』(00)『ミニチカ』(06)ほか。2007年には『赤猫』(04)、2011年に『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』が劇場公開される。 井川耕一郎 1962年生まれ。86年に製作した『ついのすみか』がぴあフィルムフェスティバルに入選。93年に後藤大輔のぞき屋稼業』で脚本家デビュー。脚本作は『黒い下着の女教師』(96/常本琢招監督)『喪服の未亡人 欲しいの…』(08/渡辺護監督)TV「ダムド・ファイル」ほか。『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』『赤猫』など大工原監督作品も手がけている。2007年に監督作『寝耳に水』(00)が劇場公開。 開場:18時30分 開映:19時 19時~:『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』 19時50分~:『西みがき』『玄関の女』 20時50分~:トーク 大工原正樹・井川耕一郎 会場:人形町三日月座B1F/Base KOM http://www.mikazukiza.com/map/ 中央区日本橋人形町1-15-5柏原ビルB1F 電話03-3667-0423 人形町駅A2番出口より徒歩1分、水天宮前8番出口より徒歩1分 入場料金:1500円 ※当日はDV-CAMもしくはブルーレイ上映になります。 ※予約は電話、メールにて承ります。問い合わせ先まで、お名前、連絡先(電話番号/メールアドレス)、枚数をお知らせください。予約にて定員(30名)となった場合、当日券はございません。 主催:映画芸術、coffee & pictures人形町三日月座 予約・問い合わせ:映画芸術編集部 電話:03-6909-2160 メール:eigei×y7.dion.ne.jp (×印に@を入れて送信してください)